女性もAGAに?FAGAの症状と治療法

女性の薄毛

頭部の皮膚を髪の毛で隠すことが出来なくなる薄毛は、中年以降の男性に多く見られる状態です。
これは、男性ホルモンの作用が関係しており、特にその影響を強く受けてしまう生え際から頭頂部にかけての部分に集中して発症します。
この症状は、男性ホルモン型脱毛症という意味の英語Androgenetic Alopeciaを略してAGAと呼ばれています。

なお、近年増加している女性の薄毛は、このAGAと症状が類似していることからFAGAと呼ばれています。
発症率は約10パーセントで、更年期以降に多く見られています。
これは、思春期以降に徐々に進行して20代の後半から30代にかけて著名となるAGAと比較すると、発症する時期が遅いということが特徴です。

このようにFAGAが更年期以降に発症頻度が高くなる理由は、髪の毛を健康に保つ女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が低下してしまうためです。
これにより、ホルモンバランスが崩れてしまうので、男性と同様にテストステロンが優勢な状況となってしまいます。
すると、男性ホルモンが変化したDHTという物質の作用により、ヘアサイクルが狂わされることになります。

なお、男性のAGAはM字ハゲや河童ハゲなどと表現されるように生え際から頭頂部にかけての部分に集中して発症しますが、FAGAの場合は髪の毛全体のボリュームが少なくなるという方向で進行します。
これは、原因物質DHTの生産に関与している5α-reductaseが広い範囲に分布しているためです。
ちなみに、女性の薄毛を分類するためにルードヴィヒ分類という指標が考案されており、正面から頭頂部までの全体が薄くなったタイプはI型、脱毛症の範囲がI型よりも拡大したのがII型、AGAに似た状態で正面から脱毛の範囲が後退した状態がIII型、毛包が破壊されて髪の毛が生えてこなくなる状態はIV型、薬物やホルモンバランスの異常が原因の脱毛症はV型とされています。

FAGAはAGAより改善しやすい!生活習慣から変えてみる

FAGAは、ルードヴィヒ分類において、IV型を除いたものが該当します。
つまり、毛包が破壊されて髪の毛が生えてこなくなるという状況にまで進行することはほとんどないということです。
このために、生え際が後退して頭頂部までの髪の毛が完全になくなるまで進行する男性のAGAよりは改善しやすいということになります。

ただし、FAGAは、AGAに対してのプロペシアを処方するというような専用の治療法は現在のところ確立されていないという状況です。
また、プロペシアはFAGAに対して無効であることが海外で行われたランダム化比較試験で明らかになっているので、医療機関で処方されることもありません。

このために、FAGAを改善するためには、かなり根本的な部分にアプローチするという治療法が選択されます。
具体的には、生活習慣の見直しや栄養状態の改善、ストレスの解消などです。
これらにより、ホルモンバランスを正常な状態に回復することにより、狂わされていたヘアサイクルが元の状態に戻ります。
すると、短い状態で抜けることがなくなるので、髪の毛のボリュームも回復するという仕組みです。

なお、生活習慣の改善と共にFAGAを改善するために有効なのが、ホルモンバランスを整える作用がある栄養素を補給することです。
具体的には、豆腐や納豆などの大豆系食品に含まれている大豆イソフラボンや果物のザクロの抽出液などが知られています。
これらは、女性ホルモンのエストロゲンと分子構造が類似しているので、同様の作用を発揮すると考えられています。
このために、20代や30代などの若い世代で発症したFAGAには生活習慣の見直しが有効で、更年期以降に発症した場合は植物性エストロゲンの摂取によるホルモンバランスの改善が適当ということになります。